オトメナゲヤリ

女子大生の雑記

15歳で精神科に入院したときの話②

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の続きです。

ただの精神科ルポです。

精神科に入院してた時に遭遇した出来事を淡々と書いているだけのエッセイです。

 

 

 

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1回目の精神科入院~隔離室から出たその後

隔離室から出る許可を得た私は、閉鎖病棟へと移されました。

入院してから1日半後ぐらいのことです。

小児科で思春期という事もあり、病棟は男子と女子で別れていました。

18才まで入院できますが、実際にいたのは12才~16才ぐらいが主です。

 

丸二日ぐらい風呂に入っておらず、髪の毛もべたべたになってしまい、看護師にその窮状を訴えたところ、お風呂の日ではありませんでしたが、特別にシャワーを浴びさせてもらえることに。

 

シャワーを浴びさせられた後、私はすぐに病棟内に用意された個室に戻されました。

看護師たちにとっては「まだ何をしでかすか分からない不安分子」という感じだったのだろう。

個室にはカメラが付いていたが、今度はトイレと洗面台はドアで区切られていたため、排泄の様子まで医師らに観察されることはなくなりました。

 

精神科にいた子たち

1日中、看護師が持ってくる病棟の漫画を読んで過ごした私。

次の朝、許可が下りて病棟に出ると、同年代の女の子たちが、私の前にわっと集まってきました。

閉鎖病棟の中で過ごす思春期の少女にとっては、「新しい人」がやってくるのはとても刺激的な出来事なのである。

以下、私がその病棟で出会った子達の中でも印象的だった子達。(全員仮名)

 

 

  • アミちゃん

 当時の病棟のリーダーみたいな感じだった。自殺未遂で隔離室からの閉鎖病棟パターン。援交などもやっており、かなり性的に奔放だった様子。

 

  • マキちゃん

 アミちゃんと仲が良かった。当時15才で私と同い年だった。

 援交やリスカを親に咎められ、精神科に入れられた様子。歌がめちゃくちゃ上手い。病棟でもずっと歌手になりたいと夢を語っていたが、退院して数年後、本当にCDデビューしていたのには驚いた。死ぬほど聴きました。

 

  • ユキコちゃん

 私と同い年。一見普通の女の子だが、精神的に脆い様子。母親との関係に問題があり、精神科に入れられたようだ。

私が私立の中高一貫に通っていた事を知ると、「生徒証見せて!いいなぁ~!」などと滅茶苦茶食いついてきた。学歴について並々ならぬコンプレックスがあったようだ。

 

  • ミナホちゃん

 すごくかわいい美少女。私の一つ年下。

 鬱のため、食事がままならず、かなりやせ細っていた。

 電話をするときとお風呂の時だけ個室から出て来て、いつもダッフィーのぬいぐるみを抱えている、病棟のアイドルだった。

 

  •  カズエちゃん

 私より一個上のお姉さん。父親が事件に巻き込まれて殺されてしまい、その後精神的にやられてしまった母親から虐待を受け、養護施設で生活していた人。

 病棟にいたとき一番仲良くなり、退院後もカズエちゃんの暮らす養護施設に遊びに行ったりした。*1

 「チック」のせいで、しゃっくりみたいに定期的に声が漏れてしまうという症状を患っていた。病棟の患者の中で最年長。

 

  • マホちゃん

メンタルヘルスに不調をきたしていたというよりも、なんらかの脳か神経系の障害で入院していたタイプ。カズエちゃんと並んで最年長だったのだが、障害のこともあり、話していると10才ぐらいの子と喋っているような感じだった。だが、嬉しいことにはすごく喜ぶし*2、不安なことにもすぐに号泣してしまっていたが、逆に言えば感情豊かで人間らしい人だった。

彼女が抱える障害に対する新薬の治験者にもなっていたようだ。

 

 

 

精神科に入院している思春期の女の子たちがみな援助交際やリスカ、自殺未遂などの行為をやっているわけではありません。家庭に問題を抱え、家族と暮らすことが困難になった末、「精神病患者」としてでっち上げられて病棟に押し込まれる子もいました。うーん現代社会の闇。

また、マホちゃんのように、発達障害や自閉症など、脳・神経の障害を抱えて精神科に入院している子もいました。

つまり、一口に「精神科の患者」と言っても、ひとりひとり抱える問題は違うので、全員が全員、メンタルヘルスに不調をきたしている訳でもない。特に思春期なんて、みんなそんなもん。

 

  

 

 精神科病棟での思い出

 

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病棟ルール

 

主なルールを箇条書きにしてみます。

これから精神科に入りたい人は参考にしてくださいね♡

 

 

  • 毎食後の投薬タイムでは、看護師が薬を飲ませてくれる。最後に呑み込んだのを確認するため、口を開けて見せなければならない。*3
  • タイツ・ストッキング・スパッツは禁止。*4
  • リストカット傷のある子は、長袖を着なければならない。*5
  • 紐のついた服は紐を切るか抜かなければならない。*6
  • 携帯ゲーム機は担当医に認められれば持ち込んでもいいが、ナースステーションで管理。

 

 

 日常

 基本的にやることがないのが一番の思い出でした。

朝7時に起床して、夜9時の就寝時間までの壮大な暇つぶしに毎日必死でした。

テレビや漫画などの娯楽もあったけれど、テレビはつけていい時間が制限されていたし*7、個人で持ち込んでいるゲーム機は1日1時間しか使えず、それを過ぎると看護師に没収されていた。

そうなると、年頃の女の子が集まってやることと言えば、おしゃべりしかない。

特に、援助交際をしていたアミちゃんとマキちゃんは、自分が過去に出会った男の人についての話を繰り広げ、病棟の子たちを色んな意味でドキドキさせました。

というのも、みな自分が経験したことのない世界の話に興味津々であったが、実は病棟中の至る所に盗聴器のようなものが付いており、会話内容はすべてナースステーションにいる看護師たちに検閲をされていたためハラハラ……。

初エッチの話や、今まで出会った援交相手の話で盛り上がってたアミちゃんマキちゃんが、看護師らに「そういう話はしないの!!」と怒られていたのは今でも覚えている。

 

 医師との面談

当然ではあるが、自宅への外泊・およびその先の退院のためには、医師との面談を重ねていく必要があった。

閉鎖病棟では衣食住に困ることはないものの、娯楽が非常に制限されていたため、常にみんな暇を持て余していた。

また、生理中の人を除き、お風呂は週に3回。*8

 

なので、せめて週末だけは外泊したい!!

 

そのため、みんな担当医に「最近わたし落ち着いてるの!健康!」とアピールすることに必死であった。

間違っても、「死にたい…」などと言ってしまえば、問答無用で外泊は却下である。

 

 

 

レクリエーションタイム 

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週に2~3度ぐらい、レクリエーションタイムなどでみんなで工作をしたりしました。

作業療法の一環で、手を動かしたり作品の中で自分を表現したりすることによって、ストレスを発散させたり、脳を活性化させようとする試みらしい。*9

ただ、ハサミやカッターなどは自傷の道具となりやすいため、使用時以外は看護師が所持し、立ち合いの元じゃないと使わせてくれませんでした。

 

 

 

 

このような環境のなかで、2ヶ月ほど過ごした私。

閉鎖病棟の中で過ごすことによって、学校や家庭をいったん「忘れる」という治療が出来、比較的平穏に過ごせるようになっていきました。

ただ、それはあくまで対処療法でしかなく、のちに16,17歳でも鬱をこじらせ、別の病院で生活することになるのだが、それはまた別の話。

また書きたくなったことがあれば追記します。

*1:本当は、病棟ルールでは患者同士の連絡先の交換はご法度。しかし、みんな仲良くなった子とはフツーにメールアドレスを書いた紙を交換していた。当時はまだLINEのような便利なSNSがなかったのだ。

*2:いちおう小児科なのでオヤツタイムがあったのだが、オヤツにプリンが出るたびテンションブチ上げになっていた

*3:稀に薬が嫌で、飲んだフリをする子がいるため

*4:それを使って首を吊る可能性があるので

*5:それを見た他の患者の自殺衝動を刺激する可能性があるため

*6:タイツ等と同じく、自殺に利用できてしまうため

*7:朝8時~夜8時、食事の時間のテレビは禁止

*8:病院総出の催し物でお風呂の日が潰れ、週2ということもあった。流石に衛生的に良くないと思ったのか、そういう週には身体を拭くための蒸しタオルが配布された。まさに詫びタオル。

*9:鬱体験者として、これは本当に効果があると思う。落ち込んでいるときとか、何もしたくないとき、折り紙をいじっていたり塗り絵をしたりすると安心するし、何となく考えがまとまってくる。